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Bilstein/STI

車高調整式ショックアブソーバ&スプリング

Bilstein/STI Shock absorber & Spring - BSSA174STI

名称 メーカー 部品番号 標準価格(税別) 数量/台
ストラット フロントライト STI ST2030066000 ¥75,000 1
ストラット フロントレフト STI ST2030066010 ¥75,000 1
ショックアブソーバ リア STI ST2035066000 ¥75,000 2

写真1: 車高調キット荷姿。 この箱に前後4本入っています。

Index

製品概要

製品スペック
DIY装着作業
インプレッション

取扱説明書 (1) フロント (PDF, 136KB)

取扱説明書 (2) リア (PDF, 132KB)

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STI/ビルシュタイン 車高調整式サスペンションキット取扱説明書 クリックで拡大 (全文はPDF版を参照してください)

取扱説明書

製品概要

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 標準車(BE5)から10mmダウンしたS401の純正ビルシュタインショック+STIばねは、フロントのホイールアーチがやや間延びして見える以外は特に不満はなかったのですが、同乗者からは前車BE5C(純正ビル+スポルトマッキ)に比べると「フワフワして酔いやすい」とクレームがでていました。 

 BL/BP型レガシィ用にSTIからリリースされているビルシュタインBSS-Kitベースの車高調整式サスペンションキットをBE/BH型レガシィ用にモディファイした製品が2005年秋に発表されました。 実装したSTIのデモカー(S401)に試乗したところ、その乗り味に一目(一乗)惚れしてしまいました。

 STIのサイトには「100セット限定」と書かれていますが、2006年5月現在売り切れてはいない模様で、発注から2日ほどで入荷しました。(写真1)

 製品はベースとなるビルシュタインBSS-KitにSTIチューンによるスプリング、FHIの純正アッパーマウントが組まれています。 ビルシュタインのロゴ入りの梱包(写真1)に記載されている品番は"BSSA174STI"となっています。スプリングに関しては品番からみてフロントはBE/BH専用品(2033066060)、リアはBL/BP用(2038021040)と同一部品が使用されているものと思われます。(写真2)

コンプリートキット構成部品:(前後4本のフルセット)
1. フロント・ストラットASSY 左右各1本
2. リア・ショックアブソーバASSY 2本
3. 車高調整用フックレンチ 2個
4. 取扱説明書(フロント用リア用 各1部)

製品スペック 

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仕 様
車高調整幅 0〜-30mm(性能上の推奨値 -15mm)
フロント:
スプリング部番 2033066060
ばねレート 59N/mm 内径φ60mm
質量 6.8kg/本 (ASSY実測値)
参考値 8.2kg/本 (純正ビル+ばね)
リア:
スプリング部番 2038021040
ばねレート 78N/mm 内径φ70mm
質量 4.6kg/本 (ASSY実測値)
参考値 5.2kg/本 (純正ビル+ばね)
DIY装着作業

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作業にあたって

警告 作業にはリフトアップまたはリジットラック(ウマ)が必須です。

 この作業で最大のポイントはリアのショックをサスペンションアームに固定しているボルト&ナット(写真5)の脱着作業でしょう。 強力に締っている(160Nm)のでウマで揚げただけの作業空間とハンドツールだけで緩めるには力とコツ、それにブレーカーバーなど最低限の工具が要ります。 少しでもラクをしたければパワーツールの手を借りるかレンタルガレージでリフトアップしてトルクがかけ易い作業環境を確保することをオススメします。 いずれにしてもトルクをかける作業なので安全確保には十分配慮する必要があります。

 フロントサスを外す前にキャンバーアジャスティングボルトに“合いマーク”をつけてキャンバー角の狂いを最小に抑えること、ストラットマウントの固定ナット(前各3本、後各2本)を力任せに締付けるとエライ目に遭うことに気をつけて作業をしましょう。

必要工具

工 具 用 途
リジットラック 各ボルトの締め付けトルクが高いので車体の安定は必須。 

車載ジャッキだけでの作業は無理

12/14/19mmめがねレンチ クルマ弄りの定番工具。同サイズのソケットレンチもあると作業性がUPする
19mm超ロングめがねレンチ 10kgm超のトルクは標準長のめがねでは厳しい
ブレーカーバー 最初の一撃はコレがあるとなしでは大違い!インパクトレンチがあれば尚ラク
トルクレンチ 重要保安部位は勘に頼らず設計トルクできちんと締めたい。 オーバートルク防止のためにも必携!

作業要領

 出荷時は前輪・後輪とも約15mmダウン(対標準車比)にセッティングされています。懇切丁寧な取扱説明書が付属しています。

1.フロント

A. 取り外し
1. ホイールを取り外す。
2. ブレーキホース、ABSセンサーハーネスをストラットに固定しているボルト(12mm)を外す。(写真3)
3. ストラットをアクスルハウジングに固定しているボルト2本のうち上側のキャンバーアジャスティングボルトに合いマークをつけボルトヘッドの位置を確認しておく。(キャンバー角の大幅な狂い防止)
4. 3.のボルト・ナット2本を外す。
5. ストラットマウントをボディに固定しているナット3個を外す。
B. 取り付け
1. ストラットマウントをボディに取り付けセルフロックナット3個で仮止めする。
2. ストラットをアクスルハウジングに取り付けボルト2本を仮締めする。
3. 取り外し時にマーキングしたキャンバーアジャスティングの合いマークに合わせて固定する。 

▶ 締付けトルク:175Nm

4. ブレーキホース、ABSセンサーハーネスをストラットに固定する。(写真12) 

▶ 締付けトルク:30Nm

5. ホイールを取り付け接地させる。
6. 1.を本締めする。 

▶ 締付けトルク:20Nm

オーバートルクによるボルト破断に注意!

2.リア

A. 取り外し
1. ホイールを取り外す。
2. リアシート、トランクマット、バルクヘッドトリムを外す。
3. ショックアブソーバをリアアームに固定しているボルトを外す。 ジャッキでショックの下側を支えてボルトがスムーズに抜けるように高さを調整すると良い。(写真5)
4. アッパーマウントをボディに固定しているナット2本を緩める。(完全には外さない)(写真6)
5. ショックアブソーバ本体を片手で支えながら、4)のナット2本を外し、落とさないように抜き取る。(写真7)
B. 取り付け
1. ショックアブソーバアッパーマウントとボディをセルフロックナットで固定する。 締付けトルク:30Nm
2. ジャッキでショックの下側を支えながらボルト穴をリアアームの取り付け位置に合わせ、ボルトを挿し込んでセルフロックナット(写真10)を仮締めする。
3. ジャッキでショックの下側を支えてリアアームを水平にして2.のセルフロックナットを本締めする。(写真13)

▶ 締付けトルク:160Nm *)

4. ホイールを取り付ける。
*) 付属の取扱説明書では締め付けトルクは62Nmとなっています。 富士重工発行LEGACY整備解説書によるとBL/BPレガシィについては62Nm、BE/BHレガシィについては160Nmを指定していますので先に発売されたBL/BP用の取説を流用した際の転記ミスかと思われます。新品のセルフロックナットさえ使用すればどちらでも重大な問題ではないでしょう。使用ナットは写真11のようにBL/BP用はアルミアームへの電蝕対策の表面処理されています。
インプレッション

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 出荷状態の調整位置でそのまま取り付けたところ、取り扱い説明書の記載にほぼ近いダウン量(標準車-16mm程度、S401の標準車高からは約6mmダウン)になりました。 走り出しての印象は、S401の純正スプリングが細かい路面振動をオブラートで包み隠す傾向にあったのに比べ、よりダイレクトに伝わって来る印象になりました。 ダイレクトといっても不快な振動が伝わってくる訳ではなく、我が家の同乗者にとってはこのほうが車酔いしにくいようです。

 自宅の進入路にリップスポイラーが接地しないことを確認しながらフロントのみ車高調整リングを一回転(ねじピッチ1.5mm)ダウンさせました。(写真14)

 重量ですが、純正ビルシュタイン+S401スプリングの組み合わせと比べて一輪あたりフロントが1.4kg、リアが0.6kg軽量化されました。

 馴染んだところで、アライメントを調整しました。

インプレ追記 (2006年9月)

 装着してから高速、ワインディングなど約3,000km走行していますが、乗り味は極めて良好です。 ただ、フロントの車高が1cm弱程下がり、自宅駐車場の出入りでクリアランスがほぼゼロになってしまったのと低速時のハンドル切り返しでフロント側から若干コキコキと異音を発生するようになりました。

 下がったということは厳密に言えばアライメントも若干狂ってしまったハズですが、暫くはこのまま走ります。

作成:2006.06.04.

写真1: キット梱包 (BSSA174STI)
写真2: 車高調キット前後フルセット。 アッパーマウント(富士重工純正)も組付け済みなので交換作業は比較的容易だ。
写真2: キット前後フルセット
写真3: フロント・キャンバーアジャスティングボルト&ナット
写真3: フロント・キャンバーアジャスティングボルト
写真4: フロント・ハウジング部セルフロックナット。 上側は偏芯ボルトになっているので緩める前に念のため合わせマークをつけておくと組み付けた際に大幅にアライメント(キャンバー)が狂うことを回避できる。
写真4: フロント・ハウジング部セルフロックナット
写真5: リア・アーム部セルフロックナット ボルト穴位置をジャッキで調整 (車体を持ち上げている訳ではありません!)
写真5: リア・アーム部セルフロックナット
写真6: リア・マウント部セルフロックナット。 ナットは完全に外してしまわず数回転分残して最後に手で抜き取るのがポイント。
写真6: リア・マウント部セルフロックナット
写真7: 片手でショックを支えながら、もう片方の手で写真6のナットを外す。 ショック本体を落としたりボディにぶつけたりしないよう慎重に取り出す。
写真7: 落とさないよう慎重に取り出す
写真8: ホイールハウス側から見たアッパーマウント取り付け部分
写真8: アッパーマウント部(下側から)
写真9: リア・アッパーマウントを新品のセルフロックナット(再使用不可)で締付ける。(規定トルク:30N・m) 写真は組み付け済みの中央部のセルフロックナットの締付けトルク(35N・m)を確認しているところ。 ヘキサゴンレンチ(6mm)はナットの共回りを回避するために使用。
写真9: リア・アッパーマウント セルフロックナット
写真10: リアアームとの固定にはBL/BP用セルフロックナットを使用した。 本締めはリアアームを水平にして1G状態で行なう。
写真10: BL/BP用セルフロックナットを使用
写真11: 左がBL/BP用 右がBE/BH用セルフロックナット。 アルミアームへの電蝕対策から表面処理に違いがある。 写真にはないが、ワッシャーも同一素材で揃えた。 
写真11: 左BL/BP用 右BE/BH用セルフロックナット
写真12: フロント 装着画像
写真12: フロント 装着画像
写真13: リア 装着画像
写真13: リア 装着画像
写真14: ホイールアーチから覗くチェリーレッドのばね。 見た目重視ならあと10ミリ程度は下げたいところだがフロントリップの接地リスクを考えると厳しい。
写真14: リップの接地を避けるにはほぼ限界

最終更新:2006.09.09.