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1. S401 イントロダクション3. 専用パーツ一覧

2. S401とは...

型式はGH-BES

 S401は、新規登録の際に現車を 運輸支局・検査登録事務所型式:BESD4UH 持ち込んで車検証、ナンバープレートを交付してもらうため、いわゆる○改の改造車両かと思ってしまいますが、実際は車名・型式:  スバルGH-BESとして型式指定をお上から受けた量産車種のひとつです。 この「GH-BES型 “標準車”(類別区分番号001)」(以下「標準車」)にたいして「軽微な変更」(詳細は こちら)を STIのプロデュースで施したのがS401です。

 流れとしては、 矢島工場 の通常のレガシィ量産ラインでスッピンの「標準車」を一旦組み立て、車両完成検査をパスさせた後に市販に向けた仕様変更を施す手法のようです。

 他のSシリーズをはじめSTIが手がけた車両はいずれも同様の手法を採ってきたと思われますが、効率性やトラブルのことを考えるといろいろ課題はあるのではないでしょうか。 まあ、あまり次から次にSシリーズを出してもらいたくないと願うユーザーの立場からすれば非効率的なままのほうがありがたいとも言えますが…(笑

 なお、持ち込み登録時に陸事に提出するための受験書類「新規検査等届出書」と50ページほどの「新規検査参考資料」が車両に添付されてきます。 提出書類なので通常はユーザーの手元には残りませんが、専用部品の諸元や強度試験の記録や成績などが記載されていてなかなか興味深いです。

幻のRSK 6MT?

 ラインオフした「標準車」はそのままでは市販されない仮の姿ですが、専用エンジン+6速MT、専用の黒基調の内装や本皮シート、マッキントッシュオーディオなどが装備されたRSK系の亜種(最上位モデル)です。

 従ってメーカーがその気になっていれば、6速MTのRSKだってカタログモデルになり得たと考えられます。

 因みにS401用補修部品を車台番号*から検索すると、ラインオフ時に仮付されていた「標準車」のパーツが引き当たることがあるので注意が必要です。

 

*<余談> 車台番号

 S401は「BES」という専用型式のため車台番号も別系統になっていて容易に識別できるのですが、S202、S203、S204の場合は量産モデルのWRX-STIと同じ「GDB」のままの通し番号なため、車台番号からだけでは容易に判別できません。(たぶん…) 同じ"Sシリーズ"でも種車の生い立ちによって車台番号の振り方も異なっているようです。

どこで作られた?

 前述のような流れで完成した「標準車」に対してSTIのプロデュースによって 専用のECU触媒ブレーキ足回りの仕様変更( ブレンボ、 サイドブレーキ、ステンメッシュホース、 18インチホイールコイルばね前後スタビ径変更ラテラルリンクピロ化)、 外装パーツ装着(専用Fバンパ+グリルサイドスカート、 フードグリル)、 タワーバー専用エンジンカバー、 サイドフレーム強化(補剛プレート追加)など手が加えられる( 専用パーツ一覧 参照)わけですが、これらの架装作業STIが直接行うのではなく、レガシィの生産ラインがある 矢島工場 内で主に小ロットの輸出モデルに仕向け地用のラジオ装着などをしているスバル物流(当時)(現 スバルロジスティクス )がSTIから委託されて行ったようです。  なお、S401最大のウリのひとつであるマニュアルバランス調整によるエンジン生産のプロセスは不明ですが、これも 三鷹STI で組み立てたのではなくエンジン生産ラインのある 大泉工場 のどこかで行われたと考えるのが自然でしょう。(メーカーとしてはマーケティング上あまり触れてほしくないところだと思いますが…)

生産台数は?

 「400台限定!」で2002年11月に発売開始されたS401ですが、実際には400台生産されることなく終売(BE/BH型レガシィの生産完了)になりました。 総生産台数は290台弱と推定され、その中には先行生産のプロトタイプやNo.000/400のSTI広報車が何台か含まれているはずなので、実際の市販車両のシリアルNo.が最終的に何番まで達したのか厳密には把握できていませんが、No.300/400には届かなかったことになります。 STIとしては当てが外れたはずですが、400台も売れるなんてハナから思ってなかった、と負け惜しみとも取れるコメントも聞こえてきたりしています。(笑) インプレッサベースのSシリーズの登場ペースに比べてレガシィベースのSシリーズがなかなか出てこない理由も何となくわかる気もします。 いずれにせよ、プレミア性が伴っているかはともかく、希少性は更に高まったということでレア車オーナーにとっては逆に嬉しかったりします。

意外にも人気のグレー!

S401色別生産台数(推計) S401の外装色は、STIのイメージカラーでもあるWRブルーマイカ(02C)**、グレーオパール(55D)、ブラックトパーズマイカ(18L)の3色が設定されています。 色別生産台数(シェア)を左のグラフに示しますが、予想通りWRブルーが過半数を占めています。 注目すべきは歴代レガシィでも何回か設定され、その都度超マイナー色と言われ続けてきた灰色が黒色より多いことです。 実際私もグレーオパールのS401を何回か見る機会がありましたが、確かに渋くて良いと思いました。 そんな訳で黒色のS401は60台程しかこの世に存在しないことになります。(左グラフ: 台数は推計値)

 それにしてもWRブルーマイカのレガシィはS401限定の特別色と思いきや、すぐさま S-Edition で採用してしまったあたり、WRブルーのオーナーさんの心境はどうなんでしょう…

 

**<余談> カラーコード

 先代インプレッサに始まり今ではWRCインプレッサのイメージカラーを市販車のレガシィ、フォレスター、R2などで展開、販促に利用していますが22B(初代インプレッサ)では「ソニックブルーマイカ」(カラーコード:74F)、S401を含むBE、BH型レガシィ、インプレッサ、フォレスター、R2系では「WRブルーマイカ」(カラーコード:02C)、一方BL、BP型レガシィの「WRCブルーマイカ」(カラーコード:42C)というように同じWRCカラーでも色を使い分けているようです。

 

専用パーツ

 S401にはさまざまな「専用部品」が使われています。 一言で「専用」といってもその由来はさまざまで、[1]レガシィ用アフターパーツとしてSTIが販売していたもの(例:ラテラルリンク)、[2]GDBインプレッサ用純正部品を流用したもの(例:ブレーキキャリパー)、そして[3]S401用に新たに開発された専用パーツ(例:ECU)などがあります。 [1]や[2]は勿論、[3]であっても STIカタログ 入りしたものは、ディーラーやパーツセンターで注文・購入できます。 BE/BH型レガシィ用 ブレンボブレーキキット も市販され、セットであればリアの バックプレート も入手可能になったので、オーナー限定の補修部品(制限付供給部品)に指定されているのは、 ECUマフラーエキゾーストフロントバンパ、グリルエアスクープ 程度に絞られてきたようです。(2004年12月現在)

 

写真: S401 専用パーツ

 

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このページの最終更新: 2007.07.01.